障害者と支援

 私が少しだけ関係しているグループホームにダウン症の人がいます。 軽度の知的障害者が食事・生活指導などの支援を受けつつグループで生活,就労するというのが建前です。
 はじめて夜間支援に行ったとき,この程度の人でもグループホームで生活し,なおかつ就労しているのだと単純に驚きました。古くからの職員に聞きますと「開設(8年前)してから,入所者はいくらかは入れ替わりがある。健常者にちかいひとはホームをでて自立。新しく入る人は比較すると程度が重い人になりがち。」
 自分はまだ経験と言うほどのこともなく,論ずる中身は無いのですが。
 所属するNPOではこのほど開設するホームの常駐職員に看護師が加わるようです。養護施設でもないのに看護師とはと驚いた次第です。相対的に弱者(高齢者含む)が増え,社会活動ができる弱者を増やす方向なのかなと。ちなみに食事づくりをする支援者は多くが高齢者です。

看護師巡回の施設に行きます

 その施設は隣接した建物2棟を使っています。女性向けは7月からすでに動いており,男性向けは9月上旬から。定員は5名と6名。六郷にあるその施設の夜間支援員が充足しないので,私に話が回ってきました。
 糀谷の施設を払って,週2回ほど六郷に行くことにしました。
 現在の施設にもダウン症の人が1名いるのですが他は比較的軽度の人達です。六郷の利用者は比較すれば中程度の人であろうと思われます。介護技術とは無縁なので多少の心配はあるのですが,夜間の安全確認が主業務なので頑張ってみたいと思っています。そこでの経験でお話しすることがあればまた書き込みます。

施設にいって2カ月です

 当初は夜間の泊まり込みだけという触れ込みでしたが,起床・食事など日常生活の習慣が確立できていない人もおり,夕方~夜間~朝の出勤確認までの連続勤務となりました。看護師のケアが受けられるという触れ込みもあって複数の薬が手放せない人がかなりいます。私としては食事時に複数の薬を正常に飲んでいるかという確認程度しかできないのですが,介護経験のある人によると,床に落としたまま結果として飲み忘れがあるようです。看護師の半常駐を目指しているようですが,看護師スキルの向上にはつながらないので,確保は難しいようです。いま,施設のホームページを作っておりますので完成したらリンクを張りたいと思います。

入所者の人達

 六郷の施設で5カ月経ちました。男性施設の支援員なのですが食事は女性施設の食堂で,一緒にとります。10名前後の入所者の食事・服薬の確認をしています。食べ終わった食器は各人が洗います。洗い場は一箇所なので時間待ちも多く,トランプ・会話など。3か月以上も共同生活なので互いに打ち解けて穏やかな食事風景になっています。
 入所者の障害水準は様々です。障害者枠を利用して一般就労(民間企業などに就職)をしている方。福祉作業所に通っている方。その作業所で,やや高度の作業をしている人,きわめて簡単な作業をしている人。三つのランクがあるといえます。作業所と云うのは単純作業を一律にやっているのだという先入観があったのですが,近所の大規模作業所(80名ほど)を見させていただきましたところ,三つのグループで異なる仕事をしていました。Aランクの作業をしている人の中には作業訓練を通じて一般就労する人もいるようです。
 水準の低い人ほど生活支援を受けつつ大変だろうと勝手に思っていましたが,前向きに作業所に通いホームの生活に溶け込んでいます。ホームの性格上,起床・食事・就寝時間などが規制されます。意識の高い入所者ほど規制に対する反発があるように思われます。規制と自由との兼ね合いはまだよく分かりません。

入所者の人達 2

 漠然と障害程度の低い(健常者に近い)人ほど幸せかと思っていましたが少し違うように思えてきました。ホームの利用者さんのなかには一般就労をしている方もいるのですが,そういった人たちがむしろ悩みを持ちやすいようです。4月から看護師の方が定期的訪問しますので,心の問題はかなり改善されると期待しています。

 勤務し始めてから9カ月になりますが,すこし疲れを感じます。重労働ではないのにと不思議に思うのですが,一定の時間を障害者と過ごすせいかもしれません。ホームの利用者は20代から60代,中心の年齢は30後半から40過ぎになります。彼・彼女たちの10年後・20年後を思うと少々のため息も出てしまいます。高齢のニート対策などを含めて一般の方たちも考えなくてはいけないと思っています。楽な生活をしているわけではありませんが,増税先送りをいつまでも続けるわけにはいかないでしょう。
 支援の一環として,買い物・通院の付き添いがたまにあるのですが,いまのホームとは別に「移動支援」の研修でも受けて,あまり精神を削ることなく活動しようかと考えています。

知的障害と精神障害

 前に書いた大規模作業所は「知的障害者」のための施設です。軽い鬱などの精神障害者はいないのですかと聞いたところ知的障害者のなかに軽度の精神障害を持つ人はいますが,単に精神障害だけという人はいないようです。一定の知的水準を持ってはいるものの精神的な安定に欠ける人達に対する,労働機会の提供は考えてみるとなかなかに難しいと思えます。精神障害者をもつ親などが作った「グループホーム・作業所」もあるようですがまだ少ないようです。8050問題とも言われる高齢者ニートにもいくらかつながるような気もするのですが,一応の知的水準を持ちながらも働けない人たちにどう対応をするべきか今から考える必要があるのではないでしょうか。

移動支援の講習

 「移動支援」の研修を9月末に申し込みました(結果として台風で中止)。
 大田区で行うので費用はテキストなど実費で済みます。実質的に行うのは委託を受けた福祉法人です。申し込みを済ませてからかなりたったある日受講を許可するような書類が郵便で届きました。その過程で福祉法人のヤル気のなさが感じられましたのでお断りの連絡を入れてしまいました。
 行政とのお付き合いで講師派遣などをやっているようで,一所懸命さを感じられませんでした。過去に講習を受けたことのある人に聞きますと,約30名の受講者の半分は単に資格を取るだけ。将来やってみようかなという人が残りの半分,何らかの組織に登録してすぐさま活動する人は数名だろうということです。その実態は行政も認識しているようでして,申し込み書類の本人欄に所属する(福祉関係の)団体名を書く欄があったりするケースもあります。講師の言葉に「移動支援者の絶対的不足」とあったように聞いておりましたがもう少し確認してから考えようかと思っております。

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